文部科学省プログラミング教育の推進

プログラミング学習

 2020年度小学校プログラミング教育が必修化され全面実施されます。文部科学省の狙いや、今後の展開についての予想などを書いていきたいと思います。

文部科学省プログラミング教育の推進

 小学校プログラミング教育について2020年度全面実施のため、メディア等で取り上げられていますが、その他に2021年度には中学校でのプログラミング内容充実、2022年度には高校と順次実施されていきます。

 この記事では小学校プログラミング教育に注目しますが、まず、全体像を文部科学省のページを参考に分かりやすく説明していきたいと思います。

小学校・中学校・高校の教育内容は学習指導要領に沿って決まる

 基本的な事ですが、念のため記載いたします。

文部科学省HPより:
全国のどの地域で教育を受けても、一定の水準の教育を受けられるようにするため、文部科学省では、学校教育法等に基づき、各学校で教育課程(カリキュラム)を編成する際の基準を定めています。これを「学習指導要領」といいます。
 「学習指導要領」では、小学校、中学校、高等学校等ごとに、それぞれの教科等の目標や大まかな教育内容を定めています。また、これとは別に、学校教育法施行規則で、例えば小・中学校の教科等の年間の標準授業時数等が定められています。  各学校では、この「学習指導要領」や年間の標準授業時数等を踏まえ、地域や学校の実態に応じて、教育課程(カリキュラム)を編成しています。

http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/new-cs/idea/1304372.htm

 学習指導要領は約10年毎に改定されているようです。前回は平成20年に全面改訂したようです。

小学校の学習指導要領について

 2020年度から全面実施で必修化されます。

 全面実施とは学年問わず全員がプログラミングの授業を実施するということです。その逆が年次進行といい1年目は1年生のみ、2年目は1年生と2年生とプログラミングの授業を受けた世代とそうでない世代が明確に分かれる事になります。

 小学校のプログラミング要領については詳細に記載するのでここでは割愛します。

中学校の学習指導要領について

 2021年度から全面実施で必修化されます。

 中学校では技術・家庭の技術分野で導入されます。

文部科学省 中学校学習指導要領より
D 情報に関する技術
(1) 情報通信ネットワークと情報モラルについて,次の事項を指導する。
ア コンピュータの構成と基本的な情報処理の仕組みを知ること。
イ 情報通信ネットワークにおける基本的な情報利用の仕組みを知ること。
ウ 著作権や発信した情報に対する責任を知り,情報モラルについて考えること。
エ 情報に関する技術の適切な評価・活用について考えること。
(2) ディジタル作品の設計・制作について,次の事項を指導する。
ア メディアの特徴と利用方法を知り,制作品の設計ができること。
イ 多様なメディアを複合し,表現や発信ができること。
(3) プログラムによる計測・制御について,次の事項を指導する。
ア コンピュータを利用した計測・制御の基本的な仕組みを知ること。
イ 情報処理の手順を考え,簡単なプログラムが作成できること。

http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/new-cs/youryou/chu/gika.htm

 基本的な情報技術に加え、メディア活用などのディジタル作品の作成等の創作性についても強化していこうという狙いがあるようです。

 最近では動画や画像処理技術の技術進歩が著しいので今の時代に合った方向性だと感じました。

高校の学習指導要領

 2022年度から年次進行で必修化となります。

 元々高校では情報の授業はありましたが、大幅な充実がされています。かなりのボリュームがあるように感じました。中学校の学習指導要領と同様に情報技術に加え、インターネットのリテラシー、情報通信コミュニケーション、メディア活用、情報デザイン等も盛り込まれており、私が高校時代にこの授業があったら、さぞかし楽しかっただろうと少し羨ましくも感じます。

 仮想技術なども取り入れられており、今も現場で使われている技術を学生の時に学べるのはとても有利な事だと思います。

参考サイト 
文科省高等学校学習指導要領(情報)

小学校のプログラミング教育

 来年度から全面実施される小学校プログラミング教育、今回はここを少し深堀して確認してみました。

小学校プログラミング教育の狙い

 プログラミングは以下を育てるためにもちられるツールとしての側面が強いようです。一般的なプログラミング技術=コーディング技術をも学ぶという観点では無いようです。

  • 学びに向かう力・人間性等
     コンピュータの働きをより良い人生や社会づくりに生かそうとする態度を涵養かんようすること
     ※ 涵養かんよう: 水が自然に染み込むように、無理をしないでゆっくりと養い育てること。
  • 思考力・判断力・表現力等
     「プログラミング的思考」を育成すること
  • 知識・技能
     身近な生活でコンピュータが活用されていることや、問題解決に必要な手順であることに気付くこと

プログラミング的思考とは

 「どのような動きの組み合わせが必要か、どのように組み合わせればより良くなるか、意図した動作になるかを論理的に考える力」のようです。

 確かにプログラミングは組み合わせだと思いますし、プログラムは論理的に矛盾した記述では必ずエラーがでるのでそういった意味ではプログラミング的思考という表現は理解できます。

どのように教育していくのか

 そもそも先生が教えられるのか等教育する方法について色々な疑問があるかと思います。文部科学省としてはそれらを解決するために「未来の学びコンソーシアム」という組織を作っています。

参考サイト 
未来の学びコンソーシアム

 そこでは事前に準備されたコンテンツが紹介されています。当面はこのサイトを確認しながらプログラミング教育を行っていく小学校が多いかと思います。

今できることは?

 「 未来の学びコンソーシアム 」に掲載されている教材関連が利用されていくのは間違いありません。そのため、教材情報をチェックして何かに活かしていけるのではないかと思います。

 そういった内容を事前に把握しておけば、小学校のお子さんがいる方は授業で取り扱う場合は教える事ができるし、Youtubeなどで事前学習することも可能です。

 例えば有名な「SCRATCH」と呼ばれるブロックを組み合わせて動作するビジュアル言語と呼ばれるWebアプリがありますが、これは無料で利用でき、色々な記事で実例として挙げられているのでほぼほぼこのアプリは活用されていくのだろうと予想されます。

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