映画 スマホを落としただけなのに2 囚われの殺人鬼~千葉ファン ネタバレ感想~

映画 スマホを落としただけなのに2 囚われの殺人鬼~千葉ファン ネタバレ感想~

スタッフ

原作:志駕晃
監督:中田秀夫
脚本:大石哲也

キャスト

加賀谷学:千葉雄大
松田美乃里:白石麻衣
笹岡一:鈴木拡樹
浦野善治:成田凌
兵頭彰:井浦新

あらすじ

志賀晃の同名ミステリー小説を映画化し、北川景子主演でヒットしたサスペンス「スマホを落としただけなのに」の続編。中田秀夫監督が再びメガホンを取り、前作に登場した千葉雄大演じるトラウマを抱えた刑事・加賀谷を主人公に、あの連続殺人事件から数カ月後の新たな事件が描かれる。長い黒髪の女性ばかりが狙われた連続殺人事件の解決から数カ月後。同じ現場から新たな身元不明の死体が発見された。捜査にあたる刑事・加賀谷は、かつて自分が逮捕した連続殺人鬼・浦野のもとへと向かう。獄中にいる浦野が口にしたのは、浦野が師と仰ぐ「M」というダークウェブ上に存在する謎の人物だった。一方その頃、加賀谷の恋人である美乃里に謎の男の影が迫っていた。前作に引き続き浦野役を成田凌が演じ、「乃木坂46」の白石麻衣が新たなヒロインの美乃里に扮するほか、鈴木拡樹、井浦新らが共演。前作の主役カップルを演じた北川景子と田中圭も特別出演。

https://eiga.com/movie/91063/

予告編がこちら↓

ネタバレ満載感想

「スマホを落としただけなのに 囚われの殺人鬼」2日連続で鑑賞してきた。1回目梅田のレイトショーだったんだけど、おそらくコロナウイルスの影響でお客さんの入りは1/4くらいだったかな?

2回目は某イオンシネマで土曜日の午後鑑賞。こっちは1/3~半分くらいは埋まってて、時期が悪かった割には意外とお客さんが多かった印象。

前作の「スマホを落としただけなのに」は鑑賞済み。1は成田凌のぶっこわれ方が面白かったのと、「これヒッチコックのサイコやん」という印象しか残ってなかったんだけど、2は千葉雄大が主役ってことでほぼ千葉雄大目当てで内容は期待せず見に行った。結論から言うと、傑作!とまでは言わんけど、いや、舐めててごめんなさい、な面白さだった。千葉さんがあんだけ頑張って映画の宣伝しまくってたのもこれなら分かる…これだけちゃんと出来てたらたくさんの人に見てもらいたいよなあ。

では、以下がんがんネタバレしていきます!

映画は約2時間だけど、展開が早くて先が読めないのでずっと飽きずに集中して見られた~!いくつもハラハラした展開があって、結局

①裏で悪いことしてたのは笹岡だった
②公安のデータベースをハッキングしてたのは加賀谷だった
③Mはすでに浦野が2年前に殺していた

という3つのオチが明かされていく終盤の流れは見事だった。あと笹岡が好きだったのは美乃里じゃなくて加賀谷だったことが分かる展開もびっくり(千葉雄大が出てる作品にBL展開が多くなるのは必然なのか笑)。

2回見てよく分かったけど、加賀谷と浦野が組んでMを探し出す… というよりは、最初から浦野が敷いたレールの上を加賀谷を始め、警察が走らされていただけよね。

加賀谷はハッカーとしては才能があるんだけど、終始浦野の手のひらの上で転がされていた感があって、 はっきり言ってかなりポンコツ。彼女もすんでのところでレイプからは救えたけど、相当怖い思いをさせちゃってるし、彼女&自分が殺されずにすんだのは兵頭に助けられたから。

演出がところどころ野暮ったかった気もするけど、上手いところもかなりあったな~~。浦野のために準備された、PC完備の特別室の床が一段他の場所より高くなってるんだけど、そのせいで途中から浦野は常に加賀谷を見下ろす目線になってるんだよね。「囚われている」という立場上、浦野は圧倒的に不利な立場のはずなんだけど、実はPC部屋に入った瞬間全部浦野のターンになっちゃって、心理的には加賀谷は浦野に圧倒されちゃっていることが、この「立ち位置の上下」に表現されててニクい演出だった…

あと、終盤に明かされる真相も、よく考えると最初から各所に伏線がちゃんと張られつつ、わざとらしくない程度に上手くミスリーディングもされてて見てるこっちはまんまとだまされちゃってたw 細かい伏線を全部挙げてたらキリがないけど、奈緒演じる安西優香(美乃里の同僚)がBL好きなことですら、笹岡が加賀谷に実は思いを寄せていることの伏線だったのよね…きっと😅

新演じる兵頭が出てくるシーンで毎回流れるハワイアンなBGM、前作の「スマホ落とし」では浦野が出てくるシーンで流れていたのと似てた(同じ?)から、ハワイアンBGM=サイコパス、という脳内図式で鑑賞してると、もう兵頭=Mとしか見えなくなってくるんだよね。

でも2回目見てみたら、「兵頭がMだ」と明言してる人物は居なくて、ちゃんと「Mと思われる人物」って言ってるし、笹岡が(偽)Mであることのヒントも色んなところに仕掛けられていたところに気が付いた😲よくできてるわ…

映画の冒頭に出てきた就寝中の人物の足も、男性っぽく見えるようにうまく撮影されててた気がして、あれが美乃里の足だとは初見では気づかなかった~!部屋の中もばっちり写ってたのに 美乃里の部屋だとも気づけず、まさかあの部屋でハッキングしてた人物が加賀谷だったってのも気づかなかった…(強いて言えば彼女の部屋で黒いフード被ってるのはちょっとズルいけどw)

でも2回目鑑賞時によくよく注意して見てると、美乃里が加賀谷に部屋にあった私物を返すシーンでPCも返してたりして、加賀谷が美乃里の部屋でPC使ってたことを匂わせてる細かい演出にやられた😆

加賀谷と浦野は表裏一体というか、劇中でも浦野が言ってたように「同じ側の人間」で、両方とも母親から受けた虐待が元で(程度の差はあるけど)うまく人を愛せなくなってるんだけど、その二人が対決してる状況がかなりスリリングだったな。浦野には母親のトラウマを抱えながらも社会に適合している加賀谷を羨む気持ち、蔑む気持ち、共感が交じり合っているように見えたし、加賀谷側もそれに共鳴してしまいそうになる危うさを演技でも演出でもうまく表現してたと思う。 鏡に映る顔が浦野になっているのは、浦野の側に引きずり込まれそうになる恐怖(加賀谷のの凶暴性とか、反社会性を封じ込めている蓋が開いてしまうんじゃないかという恐怖)を象徴しているように感じた。

映画の中盤で、母親に会いに行こうとした加賀谷が「母親の存在が自分の中にあるのが怖い」って言ってたけど、最後には「美乃里を失うことが一番怖い」になってて、美乃里を失いかけることで過去のトラウマよりも「今の自分」にフォーカスを切り替えられたことで前に進めたんだと思う。(虐待を受けて育った子供が実際に親に会いに行くことがいいかどうかは、分からんけど…そんな単純な話でもない気もするし)

あと、すごくどうでもいいけど美乃里が根岸に襲われるシーン、無駄に長かったの気になった…白石麻衣が身体張ってる見どころ(?)なんだろうけど、違和感すごかったYO!その割に最後の加賀谷との海辺でのキスシーンはだいぶあっさりしてた😅おっさんずラブの春田と成瀬のキスシーンの方がまだ濃厚だったわw

あ!パンフレット、全38ページあって、インタビューと写真が充実してた。なかなか情報量の多い映画だと思うので、パンフレットに時系列とか登場人物がまとまってたのも頭の整理に役立った~。監督のインタビューも良かったな。浦野の髪が白髪になっていた理由が、「パソコン触れないストレス」だったのは衝撃だったww

(注)以下は千葉雄大ファン目線の感想

とにかくいついかなる状況でもどんな緊迫した場面でも千葉雄大がかわいすぎ。マッチョ感ゼロ、すぐ壊れちゃいそうなたたずまいなのに、どっか狂気を宿してる役、似合いすぎる ( ´:ω:` ) 

最初にサイバー犯罪対策室で「公安のデータベースに侵入した奴がいる」って言われた時、犯人は自分のくせにしれっと話聞いてるときの暗い目とか、最後に笹岡に「なんでそんなこと…」って責める人妻口調(何それ)とか、「愛してる」って言われて握られた手を容赦なく引っ込めるシーンとか、千葉が千葉を発揮してて最高やった。

あとかわいいオブかわいかったのが、5年前の回想シーン。全速力でスマホを届けに来る加賀谷が、それまでの暗い雰囲気を封印してて最強に爽やかでかわいさ爆発してた。ありゃ美乃里も一発で恋に落ちるわ。

あ、それとスーパーネットストーカー★笹岡がこっそり保存してた加賀谷の写真たち、センス良すぎたんだけどあれって写真集とかになりませんかね (*´Д`)

というアホコメントで感想を終わります…

兵頭と加賀谷がバディを組む「スマホ落とし3」の制作は今後あるのかな~原作は続編が出てるみたいだから、それも気になる…

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